和食の時間がもっと愛おしくなる。知っておきたい「和食に合うビール」の世界
こんにちは!JUNGLE BREWERY(ジャングルブルワリー)スタッフです。
JUNGLE BREWERY(ジャングルブルワリー)は、代表 島袋尚美の「環境に優しい国産のクラフトビールを作りたい!」という想いに共感したスタッフで運営している、クラフトビールのメーカーです。
さて、皆さんは「和食に合うビール」という言葉を耳にしたことはありますか?
最近では、和食の繊細な味を引き立てるために設計されたビールが注目を集めています。今回は、そんな和食とビールの新しい関係について紐解いていきましょう!
和食に合うビールが注目される理由とその特徴
なぜ今、あえて「和食」に特化したビールが作られているのでしょうか。その秘密を探ります。
1. 和食の「繊細さ」を邪魔しない設計
和食は素材本来の味を活かす料理。従来の苦味が強いビールでは、出汁の風味を消してしまうことがありました。和食に合うビールは、苦味をあえて抑えることで、お料理の主役を立てる「名脇役」としての役割を果たします。
2. 「旨味」を引き立てる麦芽の配合
和食の要である「出汁」の旨味に寄り添うため、麦芽の選定には並々ならぬこだわりが詰まっています。
ポイントは、麦芽から引き出される「アミノ酸」。これが料理の旨味成分(グルタミン酸など)と出会うことで、口の中で味の相乗効果が生まれ、お料理の深みがぐっと増します。
さらに、伝統的な煮沸製法などを用いて、麦本来の滋味深いコクを丁寧に抽出。単に「甘い」のではなく、お出汁のように料理を包み込み、醤油の香ばしさと共鳴するような設計がされています。一口飲むごとに、料理との一体感が深まっていく感覚をぜひ体感してみてください。
3. 日本ならではの副原料の活用
お米、柚子、山椒、ほうじ茶など、日本人に馴染みのある素材を隠し味に。これにより、日本酒のように和食の香りと自然に馴染む仕上がりになります。
4. 食中酒としての「キレ」の追求
和食は、一皿ごとに異なる素材の味を楽しむもの。だからこそ、和食に合うビールは「次の一口を一番美味しくすること」をミッションに設計されています。
最大のポイントは、「ウォッシュアウト(口内リセット)」という役割。 ビールの適度な炭酸が、前のひと口の脂分や調味料の余韻を優しく洗い流してくれます。これにより、コース料理の最後まで舌が疲れず、繊細な旬の味を常に新鮮な状態で受け取ることができるのです。
また、醸造の段階で糖分をしっかり発酵させ、あえて「ドライな後味」に仕上げることで、甘辛い煮物や焼き物の後でも口の中がベタつかず、スッと引くような「キレ」が生まれます。日本酒における「辛口」のような立ち位置で、お料理の名脇役として活躍してくれるのがこのビールの魅力です。
自宅やお店で!和食ペアリングの楽しみ方
具体的なブランド名を知らなくても、スタイルを意識するだけで和食との相性はグッと良くなります。
1. お刺身・お寿司 × 「ケルシュ」や「ウィートエール」
白身魚やイカといった繊細な甘みを楽しむお料理には、フルーティーさと透明感を兼ね備えたスタイルがよく馴染みます。特におすすめなのが、ドイツ・ケルン地方発祥の「ケルシュ」です。ラガーのようなスッキリとしたキレとエールの華やかな香りを併せ持っているため、お醤油の香ばしさを引き立てつつ、素材の味を優しく包み込んでくれます。また、小麦を使った「ウィートエール」も、そのほのかな酸味が酢飯やガリの風味と絶妙に調和し、お寿司全体の味をふんわりとまとめ上げてくれるので、ぜひ試していただきたい組み合わせです。
天ぷら・揚げ物 × 「ピルスナー」や「セッションIPA」
揚げたてのアツアツをいただくお料理には、喉越しの良さと爽やかな香りが際立つスタイルが欠かせません。私たちが最も親しんでいる黄金色の「ピルスナー」は、強めの炭酸と心地よい苦味が天ぷらの衣の油分をスッキリと流し、次の一口を常に新鮮な状態で迎えさせてくれます。また、少し趣向を変えて「セッションIPA」を合わせるのも粋な楽しみ方。ホップ由来の柑橘のような香りが、まるで天ぷらにレモンをキュッと絞ったり、お塩を添えたりするような役割を果たし、素材の輪郭をくっきりと浮かび上がらせてくれます。
煮物・照り焼き × 「アンバーエール」や「ポーター」
お醤油や砂糖を使い、じっくり火を通した煮物や照り焼きには、麦芽の香ばしさが際立つ濃い色のビールが最高のパートナーになります。琥珀色が美しい「アンバーエール」は、モルトのふくよかな甘みが煮物のコクと同調し、口の中で旨味が何倍にも膨らんでいくような一体感を楽しめます。さらに、照り焼きのように「タレの焦げた香ばしさ」が魅力のお料理には、焙煎された麦の風味が特徴の「ポーター」がおすすめ。ビールのロースト感とタレの甘辛さが重なり合うことで、まるでお出汁に深みを与えたような、贅沢で奥行きのある余影を堪能できます。
4. 楽しむための「温度」のコツ
和食と合わせるなら、キンキンに冷やしすぎず「8〜12度」くらいがおすすめ。香りが立ちやすくなり、温かいお料理との温度差も少なく、より調和を感じられます。
5. 器(グラス)で変わる味わい
和食をいただく際、お猪口や茶碗にこだわるように、ビールも器ひとつで驚くほど表情が変わります。これも「和食×ビール」の醍醐味のひとつです。
例えば、繊細な喉越しを大切にしたい「ケルシュ」や「ピルスナー」には、薄張りのグラスが最適と言えるでしょう。唇に触れるグラスの存在感が消えることで、ビールの冷たさとキレがダイレクトに伝わり、お刺身のひんやりとした食感とも見事に調和します。
一方で、香りをじっくり楽しみたい「アンバーエール」や「ウィートエール」には、あえて陶器のカップや、口の広いワイングラス型の器を選んでみてください。陶器特有の柔らかな口当たりが、麦芽の甘みをよりまろやかに感じさせ、お出汁の温かみがある煮物料理との一体感を高めてくれます。さらに、香りを閉じ込める形状の器を使うことで、和食の隠し味に使われる柚子や山椒といった和の香りを、より一層深く堪能することができます。
お気に入りの和食器の中からビールに合う一客を探すのも、食卓を「たのしく」彩る素敵なひとときになりますよ。
ジャングルブルワリーの取り組みと想い
私たちも、日本の食文化とビールの可能性を広げる活動を大切にしています。
1. これまで挑戦した「和」のビール
過去には、地域で採れた「山椒」や「生姜」など、和食に欠かせない食材を取り入れたビール作りに挑戦してきました。野菜の個性を活かすことで、新しい「美味しい」を提案しています。
詳細はこちら:https://jungleandbrewery.com/blog/sansyo_hagimoto_farm/
2. アップサイクルがつなぐ日本の食
規格外野菜を活用することは、日本の豊かな農業や食文化を守ることにも繋がります。
私たちが大切にしているのは、単にビールを造るだけでなく、その一杯を通じて「日本の農業の今」を伝えることです。
現在、日本の農業では、味は抜群に美味しいのに、形が不揃いだったり規格に合わなかったりという理由だけで、日の目を見ない「規格外」の作物がたくさんあります。私たちはこれらを積極的に活用してビールを造ることで、農家さんが一つ一つに込めた情熱や、現代の農業が抱える課題を皆さんに届ける「架け橋」でありたいと考えています。
和の食材を活かしたビールを飲みながら、「この美味しさが実は、農家さんの想いを守ること(SDGs)に繋がっているんだ」と、少しだけ未来のことを身近に感じていただける。そんな、美味しくて地球に優しい場をこれからも作り続けていきます。
おわりに
「和食には日本酒」という常識をちょっと広げて、今日は「和食に合うビール」を選んでみませんか?
いつもの夕食が、まるでお店で食べるコース料理のような特別な体験に変わるかもしれません。ビールの新しい扉を開いて、自分だけの最高の組み合わせを見つけてみてください。
あなたの食卓に、和食が並ぶ時に、ぜひ合わせてビールをお試しあれ!
